土地の評価について
私道に面する土地について
私道は道路ですから単独での市場価値はありません。
公共の用地買収などで損失補償という観点から私道について価値を見る場合がありますが、宅地に付随する道路としての認識から、道路部分の価値はゼロと考えるのが普通です。
ただ、私道で問題が生じる場合があるので、その点だけは留意したいところです。
(1)古いミニ分譲住宅地の開発において、その住宅地を開発した不動産会社が私道部分を単独所有のまま放置している場合など、私道について宅地の所有者が権利を持たない場合
(2)私道の所有を宅地の前面部分にしている場合
が挙げられます。
(1)の場合
その私道が建築基準法の道路として認定されているならば、たとえ私道について所有権を持たなくても建物の建築はできます。けれど、その私道を通行できる権利は無いということになりますから、いつ何時、その所有者から通行を制限される可能性が無いとは言い切れません。
そこまでは言わないとしても、水道、ガス、下水道を新規に宅地に引き込む場合に承諾料をとられるケースがあります。
水道、ガス、下水道などのライフライン事業者は扮装を避けるために、供給する前に事前に利害関係者に承諾を得ておかなければならず、他人が所有する私道に水道、ガス管を引く場合には、その申込者が自ら私道の所有者の承諾を得なければなりません。
こうした時に、すんなりと承諾してくれない場合があります。裁判にまで発展することもあるので、私道について持分などの権利を持たない宅地の購入は慎重に行なうべきでしょうね。
(2)の場合
宅地の目の前の私道部分を所有(分有)する場合には、自分の宅地と地続きとなることから、車を置いたり、花壇にしたりと通行の妨害になるような利用を平気でする人がいます。自らの私道の権利を主張するあまり、私道を利用する他の方に迷惑がかかることへの配慮が全くないので、困ったものです。
しかし、似たようなケースで裁判になることはよくあることです。
(1)の場合、(2)の場合のいずれも、古いミニ開発の分譲地で問題となるケースが多いのですが、土地の購入にあたって、対象土地が私道に面している場合には、権利関係を含む調査が必要です。
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