- 「BUILD.LP」は、当初(株)久米建築事務所(現、久米設計)と(株)構造ソフトが大型コンピュータからパソコンまで稼動するシステムとして共同開発しました。そして昭和61年12月にパソコンで始めて精算法による保有水平耐力計算プログラムとして発表し、梁抜け、柱抜け、下階の壁抜けが任意に指定できるシステムとして高く評価されました。この時、解析方法は精算法の極限解析法を採用していました。
- その後、ユーザーの方の要望を取り入れ数々の解法を組み入れ、保有水平耐力計算プログラムとしてはパソコンで初の(財)日本建築センター電算プログラム評定も取得しました。
- 2007年6月20日施行改正建築基準法には対応しておりません。
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■特徴
- 柱・梁・雑壁・耐震壁が任意の位置に配置可能です。
- 斜め柱・斜め梁・基礎崩壊の扱いが可能です。
- 柱・梁・耐震壁の部分抜けの設定が任意の位置で可能です。
- 斜め架構・地下階・部分地下階の扱いが可能です。
- 直交梁・直交ブレースの考慮か可能です。
- ローラー支持により交差大梁等のモデル化が可能です。
- メカニズム応力解析方法は、極限解析法、略算法
(節点振分法+連層壁部分仮想仕事法)、荷重増分法、荷重増分法
(建物全体の剛床考慮)、変形増分法から選択できます。
- (財)日本建築センター「冷間成形角形角形鋼管設計・施工マニュアル」に基づく崩壊形の判定を行うことができます。
- S造柱脚は露出型柱脚、根巻型柱脚、埋込型柱脚に対応しています。
- 既製品柱脚は、スーパーハイベース、ハイベース・エコ、Uボンド、ベースパック、NCベース、日鉄Eベースに対応しています。
- RC造・SRC造の柱梁接合部の検討を行なうことができます。
- 柱梁が偏心接合している接合部を指定することにより、柱のねじりによる柱のせん断耐力の低下を考慮することができます。
- エディタにより直接データ入力ができるだけでなく、「BUILD.一貫IV+」からリンクできます。
- オプションプログラムの「BUILD.LP作図」で荷重-変形曲線図・崩壊時応力図・崩壊メカニズム図および保有水平耐力と必要保有水平耐力の比較グラフを図化出力することができます。
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■メカニズム応力解析方法
- 極限解析法
この解法はつり合い条件を満足し、部材力は部材耐力を超えないという条件のもとで仕事量を最小にする線形計画法(LP法)を用いています。精算法のため、ほとんどの建物に適用可能です。
- 略算法 (節点振分法+連層壁部分仮想仕事法)
純ラーメンや、連層壁付ラーメン架構に適用できます。ラーメン部分は節点振分法で壁部分は仮想仕事法を自動選択します。大規模な建築物にも適用でき、略算法のため高速処理が可能です。
- 荷重増分法
極限解析法と同様に精算法のため、ほとんどの建物に適用可能です。
- 荷重増分法 (建物全体の剛床考慮)
建物全体の剛床を考慮した荷重増分法は、ある方向の全ての架構を自動的に直列にならべて、一度に解いてしまいます。従って建物全体の内力は外力分布と相似形となります。また、建物の崩壊形については、ある方向の全ての架構は建物全体の剛床仮定のため同一崩壊形となります。
- 変形増分法
建物に強制変形を加え、その変形を増加させていく方法です。この解法は、各架構最終変形量を同一とすることにより建物全体の剛床効果を入れることができます。
また変形で制御するため、全体崩壊形の状態での保有水平耐力を得ることができます。また建物全階の履歴特性値が得られます。
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■評定版で追加された機能
- 横補剛の検討式を、塑性設計指針による方法と等間隔による方法から選択できるようにしました。
- 部材の余裕率を計算します。
- 仮想仕事法で基礎の沈み込みを考慮します。
- ピロティ柱の軸力制限を行ないます。
- 引張鉄筋重心位置の入力機能を追加しました。
- 節点振分法でせん断破壊を考慮した計算を行ないます。
- 各架構ごとに解析する方法(極限解析法・ 略算法・荷重増分法・変形増分法)を選択できます。
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■結果出力
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【保有水平耐力と必要保有水平耐力の確認表】(図をクリックすると拡大表示します)
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