今も、地域の人々に薬の安定供給と的確な情報提供、健康相談を行うため、全国各地に「置き薬」業者が存在しており、昔ながらに出張して業に携わる方もあれば、消費者家庭により近い存在となるため住居や営業拠点を現地に構える方、さらに企業化して一層、地域密着を図る方など、その形態もさまざまですが、従事者総数は全国で約3万人を数えています。
この「置き薬」は、薬事法に規定されているものであり、正式名称は「医薬品配置販売業」。業に従事するには所在地の都道府県知事が発行する身分証明書が必要。そして業を営むには、一定の要件をクリヤーし、知事の許可を取得しなければなりません。さらに、薬を正しく使用してもらうため、薬事法上で情報提供の努力義務が課せられていますが、配置販売業者や配置薬メーカー各社で組織する全国配置家庭薬協会では全国統一研修会を実施して、配置販売に携わる人に必要とされる医薬学知識の勉強に励んでいます。 |

現在、柳行李がトランクに姿を変えるなど、配置販売業の道具は近代化の一途を辿っていますが、その商売方法、理念は今でも変わることはありません |
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