「子供が膝を壊してしまって。」
「肩を痛めて、今動かすことが出来ないの。」
小学生、中学生をもつ親御さんから聞かされる言葉です。
最近は特に多いような気がします。
「スポーツ障害」
長期的にスポーツを続けることで体の一部分に起こる障害です。

(益子整形外科医院 神戸より)
年齢でみると、11〜15 歳が多いようです。
スポーツ障害が子供の間で増えていく理由は、一つはオーバーユーズ(使いすぎ)です。
野球肘やオスグッド・シュラッター病などがその例です。
毎日、毎日の過度な練習がそうさせてしまいます。
なってしまう理由は昔から変わっていないのですが、その人数は増えてきています。
こうすれば予防出来る、こんな治療がある。書物やインターネット上のサイトは沢山あります。
その上で「もうひとつの おきぐすり」では違う視点から考えてみました。
小学生の生活環境の変化。
事件、事故が特異化している為に、送迎など親との行動が中心となっています。
その結果、親が子供にたずさわる時間が増えます。
自然と、子供に対して期待をかけてしまいます。
子供は、期待に応えようと練習に励みます。オーバーユーズの始まりです。
スポーツという意味は古フランス語のdesport 「気晴らし」からきています。
本来の意味を忘れて、勝利至上主義になっているのではないでしょうか。
スポーツは楽しむものです。そして子供においては大切な人間形成の場です。
生活環境の変化としてさらに、子供同士、外で遊ぶ機会が減ってしまったことです。
遊ぶという運動は、色々な筋肉を使い成長させます。
逆にスポーツは、限られた筋肉のみを使い成長させる傾向があります。
ある医師は、スポーツ障害は体の未発達によって起きるといってます。
一見スポーツ選手は健康そうな体つきにみえますが、部分的に筋肉を発達させてしまった
ことで、本来生きていく上で、つけるべき筋肉などがついていないことがあります。
理想かもしれませんが、小学生のうちは子供同士で沢山遊び、本格的にスポーツに打ち込むのは
中学、高校生が良いのかもしれません。
「そんな悠長なことでは駄目だよ。」一流選手を育てようとしている人からお叱りを受けるかもしれません。
でもそれは、儲け主義的で勝利至上主義な考えであって、その子の成長と将来のことを考えているか
どうかは、疑問です。
スポーツをしていく中で、怪我をしない、故障しない、そんな子供を育てて行く為には、沢山遊ぶそして
スポーツを楽しむことが大事だと思います。
貴方は、どうですか?期待を過度にかけていませんか?お子さんは楽しそうですか?
成長期を多感に多彩に過ごし、それから、プロになった人達も沢山います。
勝敗を見ずに、我が子を見てあげましょう。
きっと、心も体も強い子になることと思います。
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